COMPANY

こんにちは。当社は2003年設立でこれを書いている時点で18年の歴史を持ついわゆるIT企業です。最初は商用に耐える国産検索エンジンおよびクローラーの技術ノウハウの蓄積継承、それを活かした新エンジンの開発を目標として創立されました。その成果は現在オープンソースの全文検索エンジンGroongaとして多くのユーザーに選ばれ、各種サービスで広く使用されています。社名もこの頃のムードを色濃く残していて、当時Livedoorと組んでまだ新興企業だったGoogleに検索分野で本気で対抗しようとしていたことを時々思い出します…と、昔話のようになりましたが、実はこの検索エンジン事業も含めて当社は「なんらかの仕掛けを用いて世の中を面白くしていく」という方針を最初から現在まで全く変えずに歩んでいます。

基礎と応用に対応づけて現在の当社の事業を説明すると、上記検索エンジンについては「検索エンジン技術」が基礎、「２ちゃんねる検索」が応用(未来検索Livedoorというサービスもやってました)となります。同様に「ネットによるメディアの変容」という社会変革の在り様を受けて「ガジェット通信」を開設し、国内有数のWebメディアに育っています。また、20世紀の終わりにデジタル通貨の概念が生まれたのち、個人間のトランザクションをいち早く取り入れ、コミュニティ内でほぼコストゼロでリアルタイム決済できる通貨「モリタポ」を開発、流通させています(少々時期が早すぎたようですが...)。また「動画技術の発達、動画の多様化」を目の当たりにし「ニコニコ動画」を現カドカワ社と共同発案し、後にはクリエイターマネジメント事業を展開しています。

当社が何をやっている会社か解らないとよく言われるのですが、敢えて共通部分を抜き出して要約すると、技術そのものだけでなく社会と技術の関係を先読みして先手を打つ、その打ち方が可能な限り社会に役立つのか、それが面白いのか、ということを優先して事業を行なっている、と言えると思います。常に攻め気味に見えるのは、なんにでもComply(本来 ”コンプライアンス” という言葉は他人の要求に渋々従うニュアンスがあります)するのではなく、また事業をテンプレートに嵌めて思考停止することなく、一つ一つ考えて決めるというプロセスをサボらないからかもしれません。

インターネット後、言うまでもなく世界は変わりました。また、COVID-19によって人々の行動がネットとより強く結びつき、ネット技術を基礎とした変革がエネルギー、住まい、モビリティ、行政など各分野で起こりつつあります。かつてないほど「社会と技術の関係を先読みして先手を打」てる範囲が拡大していて、技術そのものも細分化し、企業にとって何を選択するのかがより困難な時代になっています。これまでは当社の事業目的の基礎部分は、検索→メディア→動画とスムーズに流れてきましたが今後、もっと複雑な説明が必要な変化を求められるかもしれません。ただ、これまでのコンテクスト・実績・資産を活かし、理に叶うなら大きな変化も厭わず、社会の役に立つ法人でありたいという部分は変えず、新しい面白さを創出し続けるつもりです。

2022年1月

代表取締役社長 竹中直純